国民1人当たり石油消費量 世界平均・アメリカ・日本の比較

黒い自動車の給油口へ給油している画像 記事・レポート

人口1人当たりの石油消費量 アメリカは世界平均の4倍、日本は世界平均の2倍の石油を消費している

コロナ禍が収まり、世界と日本は賑わいを取り戻しつつあります。しかし、日本での極端な大雨や猛烈な寒波の到来、米国ロサンゼルスなど空前な規模で山火事が発生するなど日本のみならず世界規模で異常気象が相次いでいます。地球温暖化への取り組みは待ったなしといえるでしょう。

地球の大気は国境を超えるので地球温暖化への取り組みは世界各国が力を合わせることが必要です。しかし、現状では世界の経済発展には格差があります。

先に経済発展を果たした先進国の発展の原動力は化石燃料であったことは確かです。途上国が格差を是正するために早急に経済発展をしようと考えるならば、コストですぐれた化石燃料を利用しようとするのは必然です。

しかし、先進国が大量に化石燃料を使用して地球温暖化を引き起こしていながら、これまでたいして化石燃料を使用していない後進国へ、これから発展していくために化石燃料の使用を控えようというのは、普通に考えれば理不尽です。後進国への配慮などが気候変動枠組条約などで議論はされてはいます。

ならば、化石燃料の使用を減少させる話も大事ですが、その使用の格差を減少させていくにはどうすればいいかを考える必要があると考えます。各国の経済格差の是正はSDGsでの重要な目標です。ではその格差を知るために知らべてみました。

化石燃料でも代表的な石油で考えたいと思います。世界と日本、アメリカの各国の1日一人当たりの石油の消費量を調べてみました。

しかし、これが結構大変でした。

1人当たりの石油の消費量 すでに公表されている数字は?

まずは検索していろいろ調べてみました。

石油情報センター(一般財団法人日本エネルギー経済研究所の)のサイトで「私たちが一日に使う石油の量」という、まさに探していた数字が掲載されている。

しかし、ここで紹介されている数字は2005年のもので古い。

「1人当たり」という条件では他には見当たりませんでした。

「1日当り」という条件では外務省のキッズ外務省というサイトに「1日あたりの石油せきゆの消費量しょうひりょうの多い国」としてありました。

ここでは「2021年」とあり、若干、古いですね。そもそも人口一人当たりではありません。

近年の数字がないので計算してみた

結局、人口一人当たりの石油の消費量という数字はあまり出回っていないことがわかりました。

世界と各国の石油消費量

政府統計を見てみますと経済産業省資源エネルギー庁が「エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」というものを刊行しています。

その中で最新の「令和5年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2024)」を見ていきますと、残念ながら世界の石油消費量の数字は若干わかるのですが、日本を含めて各国の消費量に関する具体的な数字に関してはほとんど記述がありません。各国ではなくて「北米」「ヨーロッパ」「OECD」など地域や属性による分類となっています。

「令和5年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2024)」には

世界の石油消費は経済成長とともに増加し、1973年の5,573万バレル/日から、2022年には9,731万バレル/日となりました。

「令和5年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2024)」P130https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2024/pdf/2_2.pdf

とあります。

「エネルギー白書2024」には各国別の消費量が記載されていないので「エネルギー白書」がデータの出典元の一つとしているEnergy Institute、BP「Statistical Review of World Energy (2024)」(英文)を見ていきたいと思います。

しかし、統計とは難しいものです。それらしき数字がいくつも出てきます。

  • 21、22ページ「Oil Production」
  • 25ページ 「Oil Total liquids consumption in thousands of barrels per day」
  • 26ページ 「Oil Consumption in thousands of barrels per day」

それぞれに各国の数字が2013年~2023年まで表になっています。

しかし前述の「エネルギー白書2024」の引用中にある「2022年 9,731万バレル/日」という数字は出てきません。統計は難しい。速報値かそうでないかなど、何らかのずれる理由はあるのかもしれませんが、今回はこれ以上は深掘りしません。

最も近いのは表「Oil Consumption in thousands of barrels per day」 で2022年の世界消費量「7,683万バレル/日」です。日本などの数字もここから取ることにします。

素人のレポートなのでこのように近似的な値にしかならないことをご理解ください。

世界と各国の人口

人口は日本は総務省統計局の数字、世界と各国は国連人口基金(UNFPA)の「世界人口白書2023」に寄ることとします。

計算の結果(世界、アメリカ、日本)

人口(2023年)(百万人)石油消費量(2023年度)(1日当たり千バレル)人口一人当たり石油消費量(ℓ/人)
世界8045.0100,2211.98
アメリカ340.018,9848.88
日本124.43,3664.34

1バレル=158.987リットル で計算

とりあえず対比したい日本と世界、米国で計算しましたら、こういう結果になりました。

これは原油なのですが、人口一人あたり石油消費量は日本はアメリカの約半分で、世界平均は日本のさらに約半分以下ということになります。

ガソリンの量は?

化学コンビナートのきれいな夜景

原油を原料に化学コンビナートで精製され、軽油、重油、アスファルトそしてガソリンなどの製品へ分離されます。原油からとれるガソリンの量を「特率」というそうです。この特率は原油の種類(地域や品質)よって異なり、中東産やアメリカ産の原油は約50%くらいだということですので、計算すると1人あたりのガソリンの量は原油の半分くらいということです。(あくまで仮の計算です)

とすると、日本人一人当たりのガソリン消費量は全くのおおよそですが約2リットルということになります。

この統計はどう読む 世界平均は日本の約半分

人口一人あたりで計算しましたが、この消費量には家庭用だけでなく産業用も含まれています。ガソリンも自家用ともに、店へ運送しているトラックなどの分、営業用車の分なども含まれていることになります。また、自動車でしたら、そもそも乗らないという人が増えています。

とはいえ、国レベルで言えば世界平均は日本の約半分ということです。

世界で化石燃料の使用を抑制することを考えた場合、先進国が後進国よりずっと昔から大量に採掘して地球温暖化を招いているわけですから、先進国は化石燃料へのアクセスは限定的にすべきと考えます。現在の世界平均を目指して、後進国と平等、対等な石油へのアクセス権にすべきと考えます。

では思考実験をしてみましょう。たとえば、現在の私たちのガソリンの消費量を半分にしよう考えます。通勤に自家用車を使っているとすればガソリンの使用を半分にすればいいのですが、そんなこと容易ではありません。個人の努力だけではとても難しいことがわかります。

ではどうすればよいのか。今後、検討していきましょう。

参考にした統計など

↓石油情報センター(一般財団法人日本エネルギー経済研究所の)「私たちが一日に使う石油の量」

石油情報センター

↓外務省「キッズ外務省 1日あたりの石油せきゆの消費量しょうひりょうの多い国」

Access Denied

↓経済産業省資源エネルギー庁「エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」

エネルギー白書|資源エネルギー庁
経済産業省・資源エネルギー庁のホームページです。資源エネルギーについて、エネルギー白書。

↓ EI(Energy Institute)「2024年世界エネルギー統計レビュー」のダウンロードページ

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2023年(令和5年)10月1日現在の日本の人口について、年齢各歳別人口や都道府県別人口の推計結果を掲載しています。

↓国連人口基金(UNFPA)「世界人口白書2023」

世界人口白書2023
2023年4月19日、UNFPAは「世界人口白書2023『80億人の命、無限の可能性:権利と選択の実現に向けて』」を発表しました

この記事の初出 2025年2月17日